【試験のあらまし】

  試験は、身体検査、学科試験、実技試験の順に行われます。
 一級から四級の試験は、身体検査と学科試験は同一日に行われ、実技試験は別の日 に行われます。
また、五級及び湖川小馬力五級は1日で全部の試験が終了します。
  学科試験は、四級については毎週火曜日と1月に1回日曜日、五級については隔週水曜日に全国各地で行われます。
一級は1月に1回程度、二級、三級は1年に4回程度、各地方の主要都市で行われます。
湖川小馬力五級については、状況に応じて設定されます。
  実技試験は、学科試験を行った市町村の最寄りのマリーナ等で、専用の試験船を使 用して行われます。
一級から四級の試験については、学科試験日の翌日に学科試験合 格者と実技試験の日程が発表されますので、
指定された日に指定された場所に集合し て受験することになります。
五級及び、湖川小馬力五級については、学科試験終了後すぐに合格 者の発表が行われ、引き続き実技試験を行います。
総合合格発表は、実技試験が行われた日の翌週木曜日に行われます。


【身体検査について】
 身体検査では、視力、弁色力、聴力、
疾病及び身体機能の障害の有無について検査が行われます。

 ◆一級〜五級の試験を受験する場合
 試験申請時に<所定の様式の予備身体検査証明書>を提出していただきます。
予備身体検査は、最寄りの病院(歯科医院を除く)で受けることができます。
検査当日は運動機能についての簡単な検査を行います。

 ◆湖川小馬力五級の試験を受験する場合
 予備身体検査証明書は必要ありません。検査当日にすべての検査を行います。

 合格基準の概略は、全クラス共通で次のとおりです。

 視力:両眼とも0.6以上(矯正可)。
一眼の視力が矯正しても0.6未満の場合は、
他眼の視野が左右150度以上であること。

 弁色力:色盲又は強度の色弱でないこと。     強度の色弱の場合は、航路標識の彩色を識別できること。

 聴力:5メートル以上の距離で話声語(普通の大きさの音声)
又は70.5デシベルの汽笛音が弁別できること(補聴器使用可)。

 疾病及び身体機能の障害:軽症で勤務に支障をきたさないと認められること。

 聴力の詳細についてはこちら

 身体機能の障害の詳細についてはこちら

 弁色力及び時間限定 


【学科試験について】
 クラス別の試験科目、試験問題数、試験時間、出題形式は次のとおりです。
試験の種別 試  験  科  目 問題数 試験時間 出題形式
一級 一般常識、船舶概要、航海、運用、機関、法規 全65問 3時間 四肢択一
二級 一般常識、船舶概要、航海、運用、機関、法規 全60問 2時間30分 四肢択一
三級 一般常識、船舶概要、航海、運用、機関、法規 全55問 2時間 四肢択一
四級 一般常識、船舶概要、航海、運用、機関、法規 全50問 1時間30分 四肢択一
五級 一般常識、運航、法規 全40問 1時間 四肢択一
湖川小馬力五級 一般常識、運航、法規 全30問 45分 二肢択一

 ※ 解答用紙は、すべてマークシート方式です。

 海技士の資格をお持ちの方は、
学科試験において受験科目の一部が免除されます。
  詳細はこちら

 それぞれの試験科目において出題される内容の詳細は次のとおりです。

 ◆一級〜四級小型船舶操縦士
 1 一般常識
  それぞれのクラスにおいて必要な一般常識
 2 船舶概要
  (1) 船舶の意義
  (2) 船舶の種類
  (3) 船舶の構成
  (4) 運航の概要
  (5) 船内組織及び船務一般
  (6) 船員労務(四級を除く)
  (7) 船舶に関する法規一般
 3 航海
  (1) 航海計器
  (2) 航路標識
  (3) 水路図誌
  (4) 潮汐及び海流
  (5) 沿岸、沿海及び外洋における航法
(二級は沿岸及び沿海、三級及び四級は沿岸における航法)
 4 運用
  (1) 船体、設備及び属具
  (2) 操船
  (3) 事故の防止及び事故発生時における処置
  (4) 防火及び防水
  (5) 人命救助
  (6) 曳航
  (7) 気象及び海象
  (8) 船体の安定及びトリム
  (9) 船内安全衛生(四級は船内安全)
  (10)当直(一級及び二級に限る)
  (11)信号(一級及び二級に限る)
 5 機関
  (1) 内燃機関及びその付属装置
  (2) プロペラ、プロペラ軸系及び伝達装置
  (3) 補機、制御装置及び計器並びにこれらの付属装置
  (4) 電気機器及びその付属装置
  (5) 燃料及び潤滑油
  (6) 機関一般(四級を除く)
  (7) 機関に関する基礎的な知識
  (8) 執務一般
 6 法規
  (1) 海上衝突予防法、海上交通安全法及び港則法並びにこれらに基づく命令
  (2) 船員法及びこれに基づく命令(四級を除く)
  (3) 船舶職員法及び海難審判法並びにこれらに基づく命令
  (4) 船舶法及び船舶安全法並びにこれらに基づく命令
  (5) 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律及びこれに基づく命令
  (6) 検疫法及びこれに基づく命令(一級に限る)

 ◆五級及び湖川小馬力五級
 1 一般常識
  それぞれのクラスにおいて必要な一般常識
 2 運航  (1) 点検(五級に限る)
  (2) 操船
  (3) 事故の防止及び事故発生時における処置
  (4) 人命救助
 3 法規に関する科目
  海上衝突予防法、港則法、船舶職員法、
その他湖川小馬力四級小型船舶操縦士として
必要な法規に関する知識


【実技試験について】
実際に試験船に乗船し、操船技術や船を動かすために必要な技能の
試験を行うほか、口頭試問により関連知識についての試験を行います。
使用する船及び試験時間は次のとおりです。
試験の種別 使用する船 試験時間
一・二・三級 一級試験船及び四級試験船 約半日
四級 四級試験船 約1時間
五級 四級試験船 約40分
湖川小馬力五級 湖川試験船 約20分

 ※・一級試験船:全長約11メートルのディーゼル船
   ・四級試験船:全長約5メートルのモーターボート
   ・湖川試験船:全長約5メートル、機関出力10馬力未満の船外機船
 ※ 一級、二級、三級の実技試験では、すでに四級免許をお持ちの方については
四級試験船の試験が免除されます。